2010年5月24日月曜日

今月の納期限情報(2010.5)

5月31日に納期限を迎える主な税金は以下のとおりです。

・3月決算法人の法人税/都道府県民税/市町村民税/事業税(地方法人特別税)/事業所税/消費税
・9月決算法人の上記の税の中間申告
・6月/12月決算法人が消費税の「3月中間申告」をしている場合のその中間申告

・自動車税(堺市の場合)
・固定資産税[第1期](堺市の場合)

・平成21年分の所得税を延納した場合の延納額

2010年5月6日木曜日

平成22年度は原則法のみ。受取配当等の益金不算入

平成22年度の法人税法改正で、受取配当金の益金不算入で簡便法を適用する場合の基準年度が変更されました。
<改正前> 基準年度 = 平成10年4月1日から平成12年3月31日までに開始する事業年度
<改正後> 基準年度 = 平成22年4月1日から平成23年3月31日までに開始する事業年度


そこで、たとえば3月決算の会社が今年この規定を適用する場合には、簡便法による対象事業年度は平成23年度がまだないため、平成22年度のみとなります。つまり、原則法と簡便法が同じ事業年度になるので、金額が同じとなるわけです。
結果的に平成22年4月1日以後最初に開始する事業年度については、原則法によって処理しなければならないということです。

では、あらためて制度の概要と原則法の計算を見ていきます。

受取配当等の益金不算入制度は、企業が受け取った配当金について、法人税法上の益金に算入しないでよい、という規定です。なぜならば、配当金については既に法人税が課されているので、二重課税を防ぐためです。
ですので、外国の株式やそれを投資対象とする投資信託(PCAインド株式オープンなど)は制度の対象外です。
また、たとえば短期で売買している株式や、借入金で購入した株式などは一定の制限があります。

今回の改正の対象となった「原則法」「簡便法」とは、借入金で購入した株式の利子分を配当から控除する、という趣旨に沿う部分で、「控除負債利子の計算」と呼ばれます。

具体的には
当期に支払った借入金利子×(株式等の帳簿価額÷総資産の帳簿価額)
であらわされますが、この計算が非常に厄介なものとなっており、実務家の中でも混乱している方も多いのが現状です。

1 当期に支払った借入金利子
 これは法人税法施行令第21条のほか、法人税法基本通達3-2-1に規定があり、次のようになっています(特殊事業に関係する部分は除きます)。
(支払利子の範囲)
3-2-1 法第23条第4項《負債利子の控除》に規定する「支払う負債の利子」には、次に掲げるようなものを含むことに留意する。
(1) 受取手形の手形金額と当該受取手形の割引による受領金額との差額を手形売却損として処理している場合の当該差額(手形に含まれる金利相当額を会計上別処理する方式を採用している場合には、手形売却損として帳簿上計上していない部分を含む。)
(2) 買掛金を手形によって支払った場合において、相手方に対して当該手形の割引料を負担したときにおけるその負担した割引料相当額
(3) 従業員預り金、営業保証金、敷金その他これらに準ずる預り金の利子
(4)~(7) 省略

すなわち、支払利息・手形売却損(割引料)を主として、その他社債利息など利息と同様の性質のものを入れることとなっています。
ただし、同通達3-2-2以降で利息に含めなくてよいものもあるので注意が必要です。
具体的には、利子税・地方税の延滞金・取得価額に含めなかった割賦利息・売上割引・輸入決済手形借入金利息は利息に含めなくてよいことになっていますので、含めないほうが企業によっては益金不算入の額が増え、課税所得は減少します。

2 株式等の帳簿価額
 これは事業年度末における株式等の税務上の帳簿価額です。
すなわち、別表5(1)で留保している評価損否認額等があればそれを加算します。
また、株式や出資と、受益証券とに分け、後者は外貨建割合に応じて配当等の額と同じく1/2や1/4にしたり含めなかったりします。
投資信託の場合には目論見書にて扱いが書いているので、それに従ってください。

3 総資産の帳簿価額
 これは事業年度末における確定した決算の総資産の帳簿価額です。法律上「確定した決算の」とある場合には、これは会計上のことを指します。
すなわち、基礎になるのは貸借対照表の総資産の合計額です。
ただし、これだけだと企業の会計方針によって大きな差が出てしまいますので、同施行令第22条第1項や同通達3-2-5によってある程度の指針が定められています(一部記載を簡略化)。
イ 固定資産の帳簿価額を損金経理により減額することに代えて積立金として積み立てている金額を加算
ロ 租税特別措置法の規定により特別償却準備金として積み立てている金額を加算
ハ 土地再評価差額金額を加減算(再評価しなかった状態にする)
ニ その他有価証券に係る評価益等相当額を加減算(評価替しなかった状態にする)

(総資産の帳簿価額の計算)
3-2-5 令第22条第1項第1号《総資産の帳簿価額》に規定する総資産の帳簿価額(以下3-2-7までにおいて「総資産の帳簿価額」という。)の計算については、次に掲げるような場合には、次による。
(1) 支払承諾見返勘定又は保証債務見返勘定のように単なる対照勘定として貸借対照表の資産及び負債の部に両建経理されている金額がある場合には、当該資産の部に経理されている金額は、総資産の帳簿価額から控除する。
(2) 貸倒引当金勘定の金額が、金銭債権から控除する方法により取立不能見込額として貸借対照表に計上されている場合にはその控除前の金額を、注記の方法により取立不能見込額として貸借対照表に計上されている等の場合にはこれを加算した金額を、それぞれの金銭債権の帳簿価額とすることができる。
(3) 退職給付信託における信託財産の額が、退職給付引当金勘定の金額と相殺されて貸借対照表の資産の部に計上されず、注記の方法により貸借対照表に計上されている等の場合には、当該信託財産の額を加算した金額を総資産の帳簿価額とすることができる。
(4) 貸借対照表に計上されている返品債権特別勘定の金額(売掛金から控除する方法により計上されているものを含む。)がある場合には、これらの金額を控除した残額を売掛金の帳簿価額とする。
(5) 貸倒損失が金銭債権から控除する方法により取立不能見込額として貸借対照表に計上されている場合には、これを控除した残額を金銭債権の帳簿価額とする。
(6) 貸借対照表に計上されている補修用部品在庫調整勘定又は単行本在庫調整勘定の金額がある場合には、これらの金額を控除した残額を当該補修用部品在庫調整勘定又は単行本在庫調整勘定に係る棚卸資産の帳簿価額とする。


こうして「株式等の帳簿価額」「総資産の帳簿価額」を当期と前期の2期分の平均で計算し、その割合(少数第3位未満の端数切捨)に当期1期分の支払利子を乗じて控除負債利子を計算します。
このあたりは別表8の指示どおりに書けばいいですね。

最後に、100%の連結法人からの配当については控除負債利子を差し引かずに全額が益金不算入となる改正も行われました。


今年と来年が基準年度になるということで、もし今年末の控除負債利子率を抑えることができれば、今後数年間は簡便法を適用する場合に有利にできるかもしれません。が、経済状況で塩漬けになっている株式も多い中、なかなか有価証券を減らすのは難しいのも事実です。
黒字企業であれば一般の株式の配当額×50%×実効税率(40%前後)ぐらいの規定ですので、無理してまでは減らす必要はないかもしれません。
ですが頭の片隅にでも入っていれば、年度末に損切り等をするかどうかの判断の1つにはなるかもしれません。